名古屋高等裁判所金沢支部 昭和27年(う)554号 判決
原判決を検討すれば、原審は、米穀の生産者である被告人森田清の原判示粳米不法譲渡の所為に対し、何人に対する関係に於ても、米穀の不法譲渡行為を一般に禁止する趣旨の規定である食糧管理法施行規則第三十九条を適用しているものであることを認め得るのであるが、しかしながら、斯る場合に適用すべき特則として、詳言すれば、生産者に対する関係に於て、米穀の不法譲渡行為を特に禁止する趣旨の規定として、同規則第三十七条が他に存在するのであるから、従つて、原審は、認定の事実に対し、すべからく同規則第三十七条を適用すべく、第三十九条を適用すべきでなかつたと言わなければならず、此の限度に於て原判決は法令の適用を誤つたものであるけれども、原審は、被告人森田の判示所為に対し、結局食糧管理法第九条第三十一条を適用し処断しているものであつて、前記の瑕疵は判決に影響がないことが明白であるから、この点に関する論旨はこれを採用するを得ない。